【定年制廃止】高齢者は会社のお荷物ではない 

20214施行された「高年齢者雇用安定法」で、定年を70歳に引き上げることを努力義務とした。テンポスは定年制を廃止しているが、一般会社ではて定年を引き上げるのか、再雇用の形にすかなど、給与体系に頭を抱える企業も多いだろう。シニア従業員に対して会社はどんな姿勢が必要かお話します。

50歳を過ぎると働く意欲が急激に減少してくる 

 定年延長や定年制廃止する時に、今までの給料を保証して、定年延長をしてしまうと、ぶら下がる社員が増え企業の負担が大きくなってくる。そのため、従業員が50歳前後になったら、その人の働きと給料をシビアに連動させていくことが必要だ。なぜ50歳からかというと、20歳から働き始めて30年もすると、何か成し遂げた気になって、働くエネルギーが続かない人が多いからだ。これは何百万社とある中小企業の経営者も同じで、社員が30歳になりましたとか、50人になりましたとか、経営者本人が納得する規模になると、急にやる気がなくなる人が多い。だけど、地位は社長で保証されているから、そのまま流れに身を任せて経営している社長が多いんだ。つまり、50歳になると、30年働いてきたから満足して働く意欲がなくなる人と、所得がある程度満足できるために、仕事に対して意欲がなくなる人がいるということだ。60歳や70歳になっても働いている人はいるよ。でもその人達は、働く意欲はあるから働くんだけど、意欲的に働く人はほとんどいない。「意欲的に働く」とは、会社や上司から言われた以上の働きをするということ。言われたことをただやるのは、真面目に働いているだけだ。テンポスは、60歳でも70歳でも意欲的に働く人がいたら、店長でもエリアマネージャーになってもらって構わない。うちの会社は年齢で給料を決めているわけではないからな。テンポスは定年制を廃止しているけど、そのかわり、査定がはっきりしている。給料が自動的に上がることは絶対にない。一方で、定年制がないから、3ヶ月間入院しても戻ってくるのが当たり前で、5年間に入院3ヶ月を3回した人もいる。その人からしたら、こんな良い会社はないなと思う。だけど査定ははっきりしている。つまり、定年延長や定年制廃止を検討している会社は、働く意欲がなくなる50歳前後から、その人の仕事の成果と給料をシビアに見る必要がある。 

 もしコロナで経営が苦しくなり、人員整理をしないといけないとき、あなたが経営者なら誰から辞めさせる?もし高齢者から辞めてもらうおうと思うなら、それは高齢者に対する査定が甘いとか、働きに対して給料が高すぎる場合だ。きちんと査定をしていれば、高齢者を辞めさせようとはならない。 

大事なことは、働く場を提供すること 

 テンポスは2005年に定年制を廃止したけど、何も、「高齢者に活躍してほしい」とか「高齢者の雇用を守る」とか、そんな狙いで定年制を廃止しているわけではない。ただ、テンポスは高齢者でも働ける仕事があるから、働く場を提供しているわけでは、働く場を提供することは会社の役割だと思っている。だから稼ぎたい!と思うなら頑張ればいい。収入は少なくていいから、自分ができる範囲でがんばりたい、ならその働きかたを選べばいい。体力が無くなったなと感じたなら、それに見合った仕事をすれば良い。ただし、テンポスが体力が落ち従業員に対して、会社として何かケアをすることはない。体力の低下を心配するのは厚生労働省の仕事で、一企業がそんなことを心配する必要はないからね。テンポスバスターズの従業員の3割は高齢者だけど、何か高齢者用に設備やルールはない。最初に、食器を洗う仕事は、外でやる仕事ですよ。寒風吹きふざむこの小屋みたいな場所でやりますけど、いいですか?と、働く環境を説明して了解を得て働いてもらっている。それを見た他人が、こんなひどい環境で働かせて!なんて、御託を並べる必要はない。 

 ただし、もし会社の利益がだんだんと増えて、その利益をどう分けるかと考えるときに、労働環境の改善に利益を使うか、それとも給料に反映させるのか、給料はそのままに労働時間を短縮させる人事制度を新たに作るのか、それは社員が決めることさ。 

 

【過去記事】森下篤史篤志の経営漫談の記事を読む▶︎ 

記者:スマイラー特派員
乙丸千夏(テンポス広報部)