親父の共感

親父の共感

クレームで辛い目にあった新卒の女子社員が
先輩と店長相手に、昼飯の時間、深刻そうにその時の様子を話している。
泣きたいのをこらえているようだ。
テーブルの隅で聞くとはなしにその話を聞いていた70歳の修理のおっさん
昼飯を食い終わって1人外に出て行った。
まもなく小さな袋を持って戻って来た。
誰もいなくなったテーブルに、ボンヤリと1人でいる彼女の側に行くと、
袋から2つのアイスクリームを出して「食べな」と一言 言うと、おっさんは自分の分を食べ始めた。
23歳の少女から大人になろうとしているその女の子は、目に一杯涙を溜めて、アイスクリームを食べる。
大粒の涙がどんどん出てくる。
おっさんは一言も言わない。