誠実な努力家であるが、実績の上がらない従業員をどうすりゃいいんだよ。

あさくま従業員の哀しみ

あさくまは11月までで
経常利益 14%~16%
人件費率 20~22%
売り上げ 126%
この数字は、外食トップ250社の総合評価では、断トツの1位である。
テンポスがあさくまを引き継いで10年になろうとしている。
数字に変化の出てきたのは、この5年。
最初の5年は、試行錯誤の連続で、何をやっても成果に結びつかなかった。
従業員は引き継ぐ前の13 年と引き継いでも利益の出なかった5年、合わせて18年間ボーナスが出ない。
昨日、ボーナスを支給した。
「やまんば軍団」の70才前後のおばさん店長は、ボーナス65万平均だった。

緩やかな流れの川を上流に向かって漕ぎ続けて行くのが店長の仕事。目的地には日暮れまでに着けば良い。
店長は慣れたものだ、気持ちの余裕もある。

雨が降って水かさが増し、流れも少し強くなっている。
Aグループの店長は今までより力を入れて漕いだ。力一杯漕いだわけではない。なんとか日暮れまでについた。
Bグループの店長は今までより力を入れて漕いだが、日暮れまでには着かなくて、夜中になるものも、翌日になったものもいる。
Cグループの店長は、今までより力を入れて漕いだが、前に進んでいかない。
舟を漕ぐ場合は、前に進んでいかないのに、漕ぎ続ける馬鹿はいない。

店長は毎日店に来て、掃除をして、衛生管理をして、キチンとした商品を提供する。
誠実に繰り返していてくれればよい。
流れの強さが変わらなければ、同じ力で漕いでいればよい。

ところが、あさくまは外食トップ企業である。
店長にやってもらう事が変わってくる。
メール会員を募集せよと指示を出した。
50店の店長は
Aグループ は、一生懸命募集して獲得率4%
Bグループは、それなりに募集して 獲得率0.8%
Cグループは、それなりに募集して獲得率0.1%
ピーカンナッツを売りなさい
Aグループは、5%
Bグループは、1%
Cグループは、0.1%
人件費率、在庫率を加えて4項目を、毎月の実行項目として、店長評価の40%にした。
5年前の事である。
Aグループは給料アップ。Cグループは給料横ばい。
毎月の店長会議は、実行項目をやるための、意気込みを伝える朝礼の練習、ピーカンナッツを売るトーク練習、
人件費率を下げて困らないように、サービストレーニング等
毎月毎月繰り返しても、Aグループ、Bグループ、Cグループはあまり変わらない。
一年がかりで、CグループがなんとかBグループくらいの数字が出来るようになったころ、
提供時間短縮と、覆面調査の点数も実行項目に加えた。
また、Cグループは取り組みに遅れが出る。
こうして5年経って、実行項目が13項目になった。

俺も切ないのは、Cグループの大半の店長は怠けもんではなく、誠実なグズ。
10年やってると、大した経験もないが、若い店長の中には13項目をクリアする人が出てくる。
2~3年でもクリア出来る店長の給料は上がるスピードが早い。
15年も20年も支えてくれてきた、誠実なグズを叱咤激励するも、毎月毎月繰り返しても成果に結びつかなかった。
給料も余り上げられない。

会社でやっもらいたい事が変わってきても、相変わらず、ユックリと取り組む誠実なグズ。

同じ15~20年店長でも、流れを乗り切ったものは、給料もボーナスも相当増えてきた。