気まずくないか?

株主総会の会場の案内に、小野君が立っていた。50メートル前から目が合って、軽く頭を下げても、近づいて声をかけるまで、間が持てなくてなんと気まずいことか。
「おう!暑い中大変だな~」ねぎらうと言うより、やっと声をかけることができた。
コンベンションホールの奥に経理の田島さんがいた。ニコッとしてこっちを向いている。普通に歩いて25秒はかかる。
背筋を伸ばして、若々しく歩かないと、
最近俺は、老化で背中がやや前かがみになってきたと女房に言われている。しゃべり続けると、口の周りに唾がたまるとも言われてる。飯を食う時、皿や茶碗の外に、汁や食い物もこぼすとも言われている。
そんなことを全て見破られて、「グループ長も老けたねっ」なんて言われたんじゃぁ、一生の不覚だ。
緊張して精神的なストレスで、田島さんの前についた時には、足がもつれてしまった。

会議が終わって昼休み、エレベーターにのりこんだ。10秒前まで和やかに話していたのに、何だよ突然みんな知らんぷりしてって気持ちになる。
腕に口を押し付けて、「ぶっ」と音を立て笑を誘う。
よくみんな、済ましてるな~と思う。

呑み屋で2~3人の取引先の社長と話してるところへ、社長の親しい人が来た。その人はよっぽど付き合いのある人と見えて、「あの後、山ちゃん達と…….」話しながら社長の隣に座った。
その人を知らない俺には、気まずい時間が流れる。
呑み屋で知り合いが来た時、大概の場合紹介して座るということはない。
コッチはその人に話しかけるまでは、気まずい時間を持つことになる。

7~8人で久しぶりに飲もうやと、集まった時、断りもなく友達を連れてくる人がいる。
気のおけない集まりが忽ち、気を使う集まりになってしまう事に、連れて来た人は分からない。
30~40代の女社長が6~7人で、日曜に集まる事にした。
中に4~6才のガキを連れてくるバカ女がいる。「可愛いっ」て、言われるから余計に始末が悪い。
歓迎されていると思ってしまう。

空気を読めないのと、自分勝手のどちらかで、気まずい時間を持たせてしまう。

事務所に来客があって、応対掛かりがいなくて、その人を待たせても平気な人がいる。自分の仕事でなくても、「いらっしゃいませ、どう言ったご用ですか」を言わずに平気で仕事をしている人は、客とのやり取りでは、本人のわからないところで、評価が低く、話が膨らまないで、通り一遍の成績しかあげられない事になる。