「暖かくなってきましたね」「明日から、寒くなるってよ」
何の気なしに話してる会話の積み重ねによって、自分の周りに集まってくる人種が決まる。
「暖かくなってきましたね」」「このまま春になればいいのにね」と「明日から寒くなるってよ」では、次の言葉がまるで違ったものになる。
「このまま春になればいいのにね」と言えば「ソロソロ運動しようかな」とか、「房総に菜の花見に行こうよ!」と言われる。
「このまま春になればいいのにね」と返事のできる人には、前向きな、楽しくなるような返事が来る。
「明日から寒くなるってよ」と返事をすれば、「又寒くなるの、やだな~」とか、つまらなそうに「そう」としか言えなくなる。
マイナスのストロークを発する人達に囲まれることになる。
人生をプラスにする人たちに囲まれる会話を「プラスのストローク」と言う。
自分の回りに、ろくな人がいないのは、マイナスのストロークを投げているからで、ストロークは、「撒き餌」プラスのストロークを蒔くと、幸せな人が集まり、マイナスのストロークを播くと、不満の多い不幸せの人が集まる。
幹部候補生として入社して来た男に、不幸にして、俺と決めた入社条件を、人事が、一般的採用条件を提示した。
本人は条件が悪くなったものの、直接俺に確認するのに遠慮があって、不満を持ったまま仕事についた。
配属先の部長は、この男の経歴に圧倒されて、テンポス流を叩き込まなかった。
3ヶ月程して、取り組みを本人に聞いた。
「店舗開発の打ち合わせをするのに、喫茶代が膨大にかかって、個人持ちでは大変だ。
中部エリアをカバーするのに、車も与えられなくて、営業出来るわけがない。」
「喫茶店で話をするからだ。車については広いエリアをカバーするのは無理なことは分かっている。但し、経歴に投資するわけにいかぬ。実績もないのに車を与えるわけにはいかない。
この男に車を与えたくなるような、実績を作ってくれ。」
この返事を不満として、社員も不満を持っている人が多いとか、一緒に入社したら男も続けるかどうかわからない。
自分の不満のバックアップのために、マイナスのストロークを集めて来た。
社員の不満を細かく聞いて、一つ一つ打ち消した。
「お前が、テンポスに対して夢がなく、先に不満を言うから周りの人は相槌を打つ、尚もお前が追い打ちをかけて不満を言えば、話を合わせて自分もこういうことがあったという。
もしお前が、燃える男で、バリバリやっていたら、自分から不満は言わない。不満をいうやつがいても、「そんな事を言ってる暇があれば、一軒でも余分に訪問した方が良い。」などと言えば、
この人に不満を言っていても、しょうがないと思い、マイナスのストロークを発する事をしない。
回りに不満が多いのではなく、お前が不満を集めたにすぎない。
半年前の未来に向かって燃える男は、今のお前じゃない。との思いがあって、なぜ屈折してしまったんだ。その原因を探って見た。
彼は遠慮がちに、俺から言われた給料が払われていないという。
まさにこちらの落ち度である。
給料の事は謝った。元々もえる男なので、誤解が解ければ元の前向き人間になった。途端にいう事が変わり、不満を言ったのが恥ずかしいようであった。
自分の姿勢がマイナスであれば、回りの人はマイナスのストロークで返してくるし、積極的であれば回りの人が同じ人であっても、プラスのストロークで返してくる。
友達5人を上げて、その人達の人生への向き合い方をみれば、それが貴方の人生への向き合い方である。
「これをやって置いてくれ」「今からですか~」と「任せて下さい!」とでは、指示した人の反応が違う。
「今からですか~」と言えば「当たり前だ、馬鹿野郎!」と馬鹿野郎までいをただく事になる。
「任せて下さい」と言えば「頼りにしてるよっ」と、期待されてる事を感じる。
自分の周りにろくな人がいないのではなく、周りの人を碌でもない返事にさせて居るのは自分だ。
遅くまでミーティングをした。「みんな!焼き肉食いに行こうよ。」「焼き肉は昨日食べたばかりです。」
本人は悪気もなく事実を伝えた。言われた俺は、「行かないのか?」「いえ好きです」
だったら昨日食ったばかりですなんて言うな。何故ですかときた。
この手の人は、会話の進み方によってどのように話が進むかを理解できず、事実を伝えることがだいじだ。と思っているから、
昨日の読売に出てたんだけど、「さんま」が脱税して家宅捜査が入ったんだって、
「それは読売でなく、さんけいでしょ」
焼き肉喰ったばっかですという人は、読売か産経が大切で、サンマの事件はどうでもよくなる。
事実を争う人は、本人だけが利口だと思っている対人関係破壊タイプ。
ビジネス上の報告や、会議の席の話しではない。
日常会話に於いて「そうですね」と言えない。人がものを言うと必ず一言訂正をする。
内容が不正確だと我慢できないらしく。本筋でなくともいちいち流れを遮断して、質問して見たりして話を遮断してしまう。
店長会議
「このところすごい実績を残している熊本店!何をして実績をあげているのか報告をしてくれ!」
「余り大した事をしてません、当たり前の事をしただけです。」
「そうは言うものの、あれだけの実績を残したんだから、何かあるだろうよ。」
「社員が心一つで頑張ったからです。」
「ふざけんじゃ無い!馬鹿野郎!他の店の参考になるような事を言わなくて、社員が頑張っただとぉ。熊本から飛行機に乗って来て、そんな事しか言えないのか!……..」
熊本店は褒められてしかるべきか、叱られるべきか。、
社員のストロークに影響されて、思わず怒鳴ってしまったが、褒めて上げるつもりで質問したのに、未熟もんの自分を見せてしまった。
熊本店長は、マイナスのストロークを、引き出してしまったと言える。