人を使う。何故人を動かせないか。

論理的に考える人は人を動かすことが苦手。
指示命令や、報酬で動く人は少ない。ここが理解できない。
人は安全、安心していたい。変化したくない。このベースの上に乗って、共感、感性で動く。
理屈で動くのではないから、頭では分かっているんだが、気持ちが付いていかないとか、そうした方が良いことは分かってはいるんだが、と言ってやらないままにしている。
これらは正に、論理を超えて感性が支配している証だ。

激しい夫婦喧嘩の後は会社に行っても
仕事が手につかない時があります。
集中力も続きませんし、気を抜くと喧嘩のことばかり考えています。

自分の正しさを声高に主張する時の言動には
ある意味怒りに似たものが含まれているのでしょう。

なんでこんな質問してくるわけ?
あたりまえだろ、なんでわからないの。
そんなくだらないこと聞いてくる方がおかしいよ。

それを受け取った妻はロジックの正誤ではなく
感情で受け止め、感情(怒り)で返してきます。

なんでいつもそういう言い方ばかりするのよ!

どっちのいう事が正しいかというのはどっかに行ってしまい
いかに相手を言い負かすか、凹ませるかが目的となってしまう。

”怒り(感情)”にまかせた交流からは
建設的なものが生まれる事はありません。

プラスのストロークというのは感情面に訴えるように見えますが、
実は物事を論理的建設的に進めるために有効なテクニックなんだなぁと。

岡本さんはいつも人のいう事を聞いてないですよね。
と実歳さんによく言われるので、、
そうだね! 凄いね! とまずは笑顔で返すくせをつけます。
岡本

岡本部長は、論理的に考えるタイプ。
「それを受け取った妻は、ロジックの正誤ではなく」とあるが、詰まりロジックの正誤が大事と言っている。
「どっちのいうことが正しいというのはどこかに行ってしまい」とある。
ここでも、「どっちのいうことが正しい」と言うことが大事だと言っている。
人を動かすことができるひとは、「言った事が間違っているか正しいかは、どっちでも良い」
と割り切っている。
正しいか間違っているかで言い合いしない。(裁判の席や、討論会を除く)

あさくまの大府店を新業態にしようと、小林本部長が決めた。
その夜は、月一回の社長との会食日。大府の矢野店長と、鬼頭(女性)店長と俺の三人で飲み始めた。
1時間もしないうちに
矢野「私は大府の店を、新業態にするのは反対です。」
俺 「いつ迄も赤字の店を続けるわけにはいかんぞ」
矢野「長い間赤字の店を私が引き継いで、やっと黒字になって来た。チョボチョボですが、1月 2月黒 3月も黒字の見等しが立って来ている。もうチョつとやらせて欲しい」
俺 「もうちょっとってどの位だ。」
矢野 「6ヶ月は下さい」
俺 「6ヶ月と言う事は、3ヶ月で見等しが立つという事だよな。」
矢野 「………」
俺 「6ヶ月でどの位の利益をあげるつもりだ」
矢野 「1月2月3月くらいの利益は上げるつもりです」
俺 「矢野君、来期の利益目標はしってるよな。今期2,7億を来期4億にする。50%アップだ。
1月2月3月と同じくらいの利益ってわけにはいかないよ。」
矢野 「どの位にするかは後でメールにします。」
俺 「新業態に変えた方が利益が増えると思うよ。何で新業態が嫌なんだ。」
「やれって言われればやりますけど、サラダバーの店にしてやっと黒字になって来たんです。
新業態にして、赤字だったら評価はどうなりますか?」
「新店舗や、新業態にして、既存店と同じ評価では、店長やる人がいなくなるよ。だから、安心してやれば良い。」
「利益はどうしたって、必ず言われます」
「商売してるんだから、利益はどうしたって聞くに決まってるよ。それは挨拶と同じで評価と連動させてないだろ。新店舗の鍋やの店長が店長会議の席で、利益がどうしたって追求されたか!
鍋屋の店長が追求されていることは何だい!」
「やるべきことをやったかです」
「そうだ分かってるじゃないか。新店舗の店長のやることは、閉店を決める時に、これ以上やりようがありません。と言える様に取り組んでくれたかどうかであって、利益を出せよ何て言うわけないだろうよ。
利益の出る店を作るのは経営者の仕事。お前らが一生懸命やっても利益が出なかったら、立地か業態開発にミスがあったということだ。
お前らの責任のはずがないだろ。」
島田店長「矢野さん!新業態に取り組んでみろって言われるってことは抜擢されていることで、私なんか羨ましいと思うよ。」
俺「もし小林本部長が、誰にも話してない段階で、矢野君、相談があるんだが、新業態の四日市店が早々黒字になっている。しかし一店舗だけの成功では全国展開するわけにはいかない。
もう一店舗やって確固としたやり方にして全国展開したいと思う。
矢野君の大府店で取り組んで見てくんないかい。と相談されたらどうする?」
「相談されて知らん顔する様では男じゃない」
「やるのか」
「やります」
「じゃあやれ」
「相談されてない」
「矢野よ、本来こんな事は一々店長に相談することじゃないぞ。」
「やれって言われれば、やります。」
「矢野よ、今日の店長会議、板津マネージャーの張り切り様に比べて、お前のチームの牧野マネージャーの気合の入らない様子見ただろ。一歩も二歩も板津にで遅れていた、
お前な、「牧野さん!一人で10店も見るのは大変だ。俺が大府店だけじゃなく、半田店と豊田店も見ますよ」と言ってみな。
牧野はプライドがあるから「そうか、頼むよ」とは言わないが、お前の一言が嬉しくて、心の中で「ありがとよ」って言ってるぜ。
「矢野よ、今まで男を見せたこと有ったか。傍で見ていて男矢野、見せ場を作りたいだろなって思ってたよ。
お前が板津の部下でなかったのは、チャンスだと思わないかい。」
「私は板津のしたは嫌ですと言いました。」
「だったら、作戦通りじゃないか。男矢野!を見せる時じゃないのか。牧野は喜ぶよ。
「新業態は嫌ですよとか、評価はどうなりますか?って言ってる時かい。」
矢野「やりますよ、やります。見ていて下さい。」
「一世一代の、男の見せ場だ。今のあさくまを見てみろ、今後ないというくらいのチャンスだよ」
矢野「今日の社長会食、期待してたんですよ。良かったな~いろいろ話せて。」

岡本君よ、論理的ではこうはいかんぞ。理屈はどうあれ、矢野君は、どんな気持ちで何を言いたくて抵抗してたんだ。
妻との喧嘩、ドッチが正しいか何てところで争はないように、ほとんどの場合「ゴメン、ゴメン」ですむのによ。