仕事とは
仕事をした結果 成果が上がったかを大事にしないと、まるでお馬鹿な結果になる。
10年ほど前、上海で道路を掃いている人がいた。少しだが風の吹く日で、掃き集めた落ち葉を、袋に入れないで掃いているばかりだから、チョット風が吹くと落ち葉は散らばってしまう。
おっさんはそんなことは気にもしないで、黙々と掃いている。
道を極めた僧のように、黙々とやっている。その様は掃き集めた落ち葉の行く末を心配している俺が、煩悩まみれの俗人ではないかと思わせるくらい超越していた。
こんなおっさんを使えるか!
今那覇店長の大西が入社して間も無い東大阪店。「こんにちは、一ヶ月前からお世話になっています大西です。」と俺に言いながらシャッターを開けて箒で掃き始めた。
風が吹いても集めたゴミが散らかっても気にもしないで箒を動かしている。
「てメェ馬鹿か!」まてよ、上海と同じじゃないか!
こんな動きは仕事とは言えないが、先ずはあなたの「働きは」成果が上がっていますか!
この程度のところから、始めてみよう。
「働きには」ふたとおり有る。
1 草刈り型 100坪であれ1000坪であれ、草刈りをするのには、セカセカであれ、タラタラであれ、時間がかかって終わるのが遅くなるか、早く終わるかで、取り組んでいればいずれ終わる。
やり続けていれば成果の出る仕事を「草刈り型」とよんでおこう。
漢字100字の宿題や筧のおばさんのところに荷物を届けておくれ。なども草刈り型と言える。
単純労働は大概草刈り型で、子供のうちは草刈り型の仕事の指示が多いため、真面目で一生懸命の人は、草刈り型の仕事のの進め方に慣れてしまいがちである。
2 天婦羅型 草刈り型と全く違うところは、仕事を続けていれば成果がでるかといえば、必ずしも成果が出るとは言えない。
海老の天婦羅を揚げるのには170度の温度にしてなかったら、何時間海老をいれてあってもカラッとした海老は揚がらない。4時間働こうが5時間働こうが、売り物にならないグッチャリしたエビ天を大量に作る事になり、長く働けば働くほど親方にどやされる。捨てるものばかり作ってと張り倒される。
天婦羅型の仕事は、条件をクリヤーしないと、働いた分だけどやされる。成果どころで無く首になるかもしれない。
筧のおばさんのところに荷物を届けておくれ。これは草刈り型である。
9時までに304室にこの資料を届けてくれ。9時と304室の二つの条件をクリヤーしなかったら全く役に立たない社員という事になる。
筧のおばさんには、何時間かかっても良かったが、資料は、9時までに304室をクリヤー出来ず、9時か304室の、一つしかクリヤーしない場合が何とたくさんある事か。
テンポスの大卒社員は50%失格である。当たり前に、日常的に50%失格である。
テンポスというより、社会人の50%以上が失格である。
グループワーク 4人一組になり、各チーム一人づつタイムキーパーを決めてください。
タイムキーパーは時間を守る係りです。時間厳守でお願いします。
それでは一人1分で発言してその後2分間で質疑応答を繰り返して全員の発言が終わったら。二分間であなたのチームの意見としてまとめ上げてください。
1分+2分×3人=7分これを四回繰り返して、最後に2分でまとめると30分で終わる事になりますね。
それではヨーイスタート。
30分で終わるチームは半分しかない。何回やってもどこでやっても時間厳守できる人は半分しかいない。
条件がチョット複雑になると、聞くのを諦めてしまう。
添乗員は一つの条件で指示しても守れない人がいることを知っているので、「時間が遅れています!ここのパーキングは15分しか取れませんので、10時15分に出発します。」というが、必ず遅れてくる人がいることを知っている。
その上悪いことに「15分しか取れませんので10時15分に出発します。なお第一トイレは混み合っていますので、少し離れていますが第二トイレをお使いください。」
もう無理だ。こんな言い方をする添乗員は素人である。
15分と第二トイレの二つの条件などつけて指示したんでは、20分になっても出発出来ないのは火を見るより明らか。
第二トイレの前に止めないからだ。
明日の9時までに提出せよ。と言われたら、提出する事でなく、9時までに提出しないと意味がないと理解出来ない人がいくらでもいる。
条件付き指示は、条件をクリヤーしない限り実行したことにならない。当たり前!
中級編
人事部長に指示。来週の店長会議 出席者に課題と具体策3項目づつ書かせておけ。
店長会議 3項目づつ書いて来た人は60%。
人事部長に指示をどんな風に伝えたか聞いてみる。
「メール」で知らせておきました。
「俺の指示はなんだ」
「出席者に課題と具体策3項目づつ書かせておけ」です。
「書いて来てないじゃないか」
「メールで知らせたんですが」
「メールで知らせろが俺の指示かい。」
「いえ違います。3項目づつ書かせておけ。が指示です」
「お前は指示通りやらなかった馬鹿部長!」
上級編
「出席者に3項目づつ書いておくように知らせておけ。」
「はい、知らせておきます」
「書いて来てないじゃないか。」
「指示は知らせておけ。でしたので。」
「馬鹿たれ!」
サンマを焼いていた大家が用事ができた。そこにいた与太郎に「用事を済ませてくる間、サンマを見ていてくれ。」
大家が戻ってくてみると、七輪の上のサンマがない。
「与太郎!秋刀魚がないがどうしたんだ!」
「へい、猫が持って行きやした。」
「持って行くのを見てたのかい」
「へい、見てろといわれましたので」
「ウーン、テンポス人事とおんなじだぁ」