奄美の人びと
トロピカルと言えば 沖縄。
奄美は素通り。この取り残された感が、最高である。
名瀬市にある、当社の総菜屋「ビクトリー」が、道路拡張のため、移転する事になり、何回か、訪問している。
飛行場でも、タクシーに乗っても、 海産物の美味いものを食わせる店、は無いかと聞いても、「ない」の一言。
スーパーの売り場でも、刺し身はちょっとしか置いてない。
島民が、刺し身を食わないのはいいとして、観光客は、奄美に来たんだから、伊勢エビとか、アワビとか、期待する。全くない。自慢じゃないけどない!力一杯無い!
市役所に行って、漁協と組んで、あさくまが、浜焼きの店をやる。と言った。
土地を提供せよ。当然地代は払う。
漁協にいって、魚を原価で提供せよ。
店員は、漁師の妻、シケで、漁に出られなくなった漁師。
建物はテンポスが出す、助成金や、補助金の類は、一切要らない。
運営はあさくまがやる。
市も、漁協も、今迄そんな話がしょっ中出たが、いざやるとなると、どうしたら良いか解らぬ。
いつも立ち消えだった。
雇用の確保にはなるし、運営をやってくれるなら、面倒なことは一切無いし、こんないいことはないな~
アレから既に、1年経った。漁協のやってる浜焼きの店を何カ所か案内する提案をしたものの、未だに、見学しない。
市会議員に話を持って行った。
大乗り気、硬い握手をした。 ソレッキリ。
金を出す必要も無い、雇用は確保できる、市も、市会議員も、漁協も、みんな喜んでくれた提案。
一つも進まない。
話は変わるが
俺の田舎は、限界集落寸前。農産物は、猿など、20~30匹で来て、干してある豆など、両脇に抱えて、ユックリ、引き上げる。
20年も前は、村衆もまだ若かったので、猿が来れば、棒を持って追いかけ回すもんだから、奴らも気合が入っていた。
それがどうだ、今は、歩幅15センチくらいしかなくて、30歩歩くと立ち止る。
猿も人を舐め切って、右も左も分からないような新卒や、何ヶ月もひとっところに、務まらない間尺の合わない奴らを派遣してくる。
イノシシなんかは、傍若無人 夜陰に紛れて、畑を荒らしほうだい。
里芋は、美味しい、子芋ばかり食べて、スカスカのババアの様な、種芋はまず食わない。
鹿は、チョットばかりの柵なんぞ飛び越えて、稲全滅。
かくして、爺さん婆さんは、マメを作らないで、柵ばかり作っている。
実家に帰った時の2~3日、柴犬の小さいのを放してやった。
その間、猿 鹿 猪ども、一切寄り付かない。
村の長老達に提案した。「村はずれの3ヶ所に、よるだけ犬を放して置いたらどうですか。」
「犬は、畠を荒らすでよ。」
「猪は、畠を荒らさないってか。」
アレから15年、未だに、畑は、獣のためのもの。
犬を放すと、どういう不都合があるっていうわけ~
教えて欲しい。何処もかしこも、半ば諦めて、畠を耕している。
柵の修理は随分手際が良くなった。
最近は、入れ歯の猿迄、畠荒らしに来るっていうでないか!
リスクなし、得なだけ。金も労力の提供もいらない。銀行に、ペコペコしなくても良い。
夏休みの友だって出さなくて良い。
こんな美味しい話。
なんでやらないのよー。