内視鏡で大腸ポリープの、検査だ。
朝から2ℓに及ぶ下剤を飲み、腸の中は誰に見せても恥ずかしくない。
ケツノ周りは石鹸で丁寧に洗ったし、パンツも4日ぶりに履き替えた。
寝台に横向きに寝た。
「パンツを、下ろして頂いてよろしいでしょうか。」
「ケツの穴ぁ、見せてもらって、よろしいでしょうか?」
ちょっと待てよ。ケツノ穴なんか、人に見せるもんじゃあない。
俺は前の晩から、決心して、明日はいよいよだ、男として、恥ずかしいまねはできない。
だが、ここんとこは、己の人生を捨てて、思いっきりぶっつかるしかない。
そこまで、心を決めてきたのに、何だ其のいいぐさは!
「けつの穴ぁ、見せてもらって、よろしでしょうか?」
断れるわけぇ、なら 断るよ。
断れないだろ、だったら、「けつを、もっと、突きだセぃ よく見えないじゃないか」
と言ってくれたほうが、決心がぐらつかないじゃないのよ。
決定権がこっちに有るような言い方すんなよな。
乳がんの検査で、「乳 揉ませてもらって、よろしいでしょうか」
「いいですよ」、なんていう人、いないだろ。
俺なんか、1ッ回も「いいですよ」って言われたことなんかない。
医者は、毅然としなきゃぁ「胸を出して、触診します」黙って、揉む。
適度に揉んだところで、「ペロッと、やりますが、よろしいでしょうか」こういう言い方が正しい。
後がどうなるかは、神のみぞ知る。合掌。