金をためた

貧乏と言うほどではなかったが、小使いをもらったことは無かった。

 大成しなくても、金だけはためようと、思っていた。

ためてから、遊べばよいと

 結婚したばかりの頃は、共稼ぎ、一人分の給料は、全部貯金  

給料日には、二人して、鳥もも、餃子、かき揚げにはたっぷりと、トンカツソース、

抱えて、三本立ての映画、見ながら、たべる旨さよ

床屋は女房、虎刈りが、気になったことは無い

下着は俺の分は、破れても、買わない ぞうりは、風呂屋で人のぞうりを履いて帰ってきた。

こうもり傘は、いまだに買ったことは無い。

休日は、公園、小川、海岸、弁当もって

サラリーマン時代 会社支給の、カッターシャツを、着てこない社員に声をかけて、着ないなら、くれ、5枚や6枚はすぐに集まった。

 ためた金で、ぼろ株ばかり買った、つぶれた会社もあったが、5倍10倍になった。

 30歳で、一億くらいの元金が出来た。

会社を上場させて、村に深山つつじを200万ほど配った。

学校に本を100万 身障者の施設に150万

祖母の米寿に180万 石垣に1000万

 俺のやりたいことは何なんだ。

元々、物を欲しがらないので、自分で買ったものと言えば、田園調布400坪以外、ゴルフ道具は、ビクトリーで28000円靴バッグ付

車は廃車をもらい物、女房も変えてない。新幹線は自由席

小使い25000円

   欲しいものはあまり無い、

 充実した人生、影でささやかれる程度に、感謝され 時々は、疎まれ、泣いたり、怒ったりしながら、笑う

 死んで20年もすると、愚か者が、俺の偉業にやっと気がつく

さげすまれて死んだ俺は、そこで溜飲が下がる。

金じゃぁない、人生はかねじゃぁない、