若手経営農家集団と産直居酒屋をOPEN!

写真右:株式会社エイムカンパニー 代表取締役 佐藤慎吾氏
写真左:株式会社なまら十勝野  代表取締役 小山勉氏

飲食店が参加する十勝生産者ツアーがヒント

北海道帯広市内に15業態15店舗をドミナント展開するのは株式会社エイムカンパニーの佐藤慎吾氏です。2016年5月17日に地場産者直送の採れたて野菜、浜値鮮魚、北海道産厳選肉をコンセプトとした「十勝北海道生産者直送 宴の一心」をオープンしました。

「若い頃は、こんな田舎な町(十勝)が嫌いで早く都会に出たくてしかたなかった」と話す佐藤氏ですが、東京でいくつもの飲食店を回る中で、帯広の食材、特に魚や野菜の旨さを痛感し、帯広の食材を売りにした飲食店を想い描くようになりました。そんな中で、居酒屋甲子園メンバーが参加する十勝生産者のツアーでヒントを得てオープンしたのが、「十勝北海道生産者直送 宴の一心」です。

生産者ツアーでは、生産者の現場を回りながら話しを聞き、その後に、実際に飲食店でツアーで回った食材を食べるものでした。そこで食べる料理は、格別においしく感じた佐藤氏は、この感動をより多くの人に伝えられるような店を作りたいと思い「十勝北海道生産者直送 宴の一心」のオープンに至ったのです。この店を成功させる肝になるであろう生産者のパートナーとして、13の若手農家経営者を束ねる株式会社なまら十勝屋の代表取締役である小山勉氏とタッグを組みスタートしました。

店内ステージで生産者がプレゼンするイベントを定期開催

「宴の一心」の目玉はなんといっても野菜をまるごと使った料理です。”人参ステーキ(580円)”は、箸で切れるほどに柔らかくなるまで蒸して丸々一本を提供し、他にも”丸ごと大根サラダ(650円)”や”玉ねぎの丸焼き(380円)”、”ごぼうスライス揚げ(480円)”などが人気を集めています。メニューブックには、料理写真と生産者の写真と丁寧なコメントを載せている。その生産者の中心にいるのが「株式会社なまら十勝野」です。

「宴の一心」の魅力の一つは週末のイベントです。ジャージー牛のミルクで作ったプリンを10円から“競り”にかけたり、牡蠣の掴み取りを実施しています。中でも、一番の注目イベントは、「なぜうちの食材が美味しいのか?」を生産者自らが店内ステージの上で来店客に伝えるイベントです。まず佐藤社長やスタッフが撮影した生産現場のレポート動画を店内の巨大スクリーンで流し、その後に生産者がステージに立ち、食材のこだわりや想いを伝えます。お客様は話しを聞きながら、その食材を使った料理を堪能することができるのです。

強い農業にしていきたいという想いがあったからこそ

勝手はイメージですが、農業生産者と言えば、無口な職人気質です。そんな生産者が、どうやって100人の来店客の前で食材のプレゼントをしているのでしょうか?小山氏に伺うと、「最初から出来たわけではありません。しかし、今までの農業は自給率をあげるために、どれだけの集客をあげられるかが重要でしたが、今後はそれにプラスして売り先や値段を自分たちで決めて販売していけるような、市場に左右されない農業をしていきたいいう考えがありました。市場に左右されない強い農業にしていきたい、消費者の方ともっと近い存在にならなけれならない、という想いがあったからこそ、佐藤さんと出会い、いいろいろ話しをしたり、試行錯誤していく中で、少しずつイベントでも話せるようになってきました。」と話してくれました。

株式会社エイムカンパニー
代表取締役 佐藤慎吾氏
十勝北海道生産者直送 宴の一心
帯広市西2条南9丁目16-18
TEL: 0155-67-4970
株式会社なまら十勝野
代表取締役 小山勉氏(小山農場)
北海道河西群芽室町芽室南5線27番地
TEL:0155-62-8166

smiler 32号