隣で呑んでるおっさん

あさくま名古屋の店長会議が終わった。

新横浜まで1時間30分、ゆつくり、鳥弁当、そうそう、ビールがなくちゃ。
あれれ!隣のおっさん、鳥弁当を、広げているではありませんか。
鳥弁当は、安いというか、リーズナブルというか、貧乏人というか、開けっぴろげて、食べてはいけません。みなさま、あたしゃ賤しい身分で、こんなもんしか、口にできない生活をしてございますが、隅の方で、皆様の、お気にさわらぬよう、こっそり、箸をつけさせて、頂きます、いえ、ちょっとの間です、お見逃しくださいませ。って食うもんで、おっさんのように、何が気に障ったか、こう開けっぴろげて、テーブルの上に、だされたんじゃぁ、周りのものも、目のやり場に、こまってしまうじゃないかよ。
おっさん マナーってものがないのかよ。
おっさん おっさん、いきなり鳥を、口に放り込んで、どうしようってのよ。
いくら鳥が好きだって、いきなりじゃぁ、鳥のみにもなってみろよ。心構えも、準備もできなくて、
いきなり、パクリ、そりゃ~ないぜ、国にかえっちまうのも、うなずけるぜ。おまえんとこ、定着率ひくいんじゃあないの、まったくもう!
まずは ビールで口から、喉から、程よく湿らせて、粘膜損傷に、十分注意して、さらに、
おいおっさん!人が考えごとをしている時に、口なんぞを、もごもごさせるんじゃない。まったくもう!失礼な奴だ!
ビールを取り出した。何だその呑みかたは、ふてくされてるのかぁ、呑みぁいいだろといわんばかりじゃないか。
あっ 蒲鉾に手を付けてしまった。これはいけません、大失態です。
鳥の後は、煮豆なんです。おおまけ、昆布巻き、鳥に蒲鉾とくるとは何と言う、節操のない。
蛋白がつづいては、末代まで祟られますぞ。鳥と魚、ああ嫌だ、鳥魚の災いって、中国4000年も言い伝えられている諺。何!知らない! そうか、知るわけないよな。俺が今思い付いたんだもの。
オッさん またビールか。こんどは、500ミリじゃないか、
おっさん、よーく聞いてくれ、計画性って、知ってるか、
先に350ミリ飲んだんじゃ、もうチョット飲みたいなぁ、って時どうするつもりだ。500ミリ全部飲まなきゃなんない。
500を先に飲めば、そんな苦労を、背負い込むこともないのに、お前って奴は、見境も無いから、村を、おんだされちまうんだ!
おっさん、おっさん、あんたが手にしているのは、俺のビールじゃないか。
俺のって言っただろ!口をつけるな、こら、笑いながら他人のビールを、返せこのやろう。
なにぃ俺のもんだとぉ、お前んじゃないよ。
「お客さん、なに騒いでんですか?」
「こいつが俺のビールを」
「ビール、 空ですよ」
「この野郎」
「まもなく、新横浜、新横浜ぁ」
「チクショー」