【早稲田 喫茶ぷらんたん】学生街の喫茶店

喫茶ぷらんたん 代表 前田広喜氏

学生街の喫茶店って、学校が休校のときは商売にならないし、生活はすべて学校に合わせることとなる。卒業式、入学式、学園祭、そして統合祭という早稲田OBが集まるとき、3週間休みなし、ぶっ通しで仕事をすることもありました。

しかし、コロナの影響で売上が例年の3割くらいまで落ち込んだ。正直廃業しようかと思いました。

予約が全く取れなくなった

学生さんだからそんなに客単価取れないけど、それでも宴会だと2〜3000円で10〜20人単位で来てくれる。その宴会がパッタリなくなったわけだから。なんとか、持続化給付金と貯金を切り崩してなんとか年末までは耐えたけど、もうダメだってなりましたね、去年の暮に。もう元には戻らないんじゃないかって。「喫茶ぷらんたん」は創業から72年目に始めて廃業を考えた。

最後はクラウドファンディング

で、どうしようかと考えてクラウドファンディングやってみるかってことになりました。学生さんたちに「クラウドファンディングやりたいんだけど協力してもらえるかな」って相談すると学生さんたちが「是非、やらせてください」って言ってくれた。

1月16日に学生さんたちと打ち合わせ、クラウドファンディングの募集は30日からでした。そしたら一週間で500万円集まりました。それは学生さんたちの綿密な計画とリサーチがすごかったからです。上手くやっているクラウドファンディングはどういうページを作ってどんな返礼品を出しているか、徹底的にリサーチして方向性を決めてからページを作ってくれた。しかも手伝ってくれたのが1年生、2年生。1年生なんて入学してすぐコロナでほとんど学校にも来てない、当然店にも来たことがない子たちですよ。でも大隈塾のつながりでチームを組んでOBが監査役みたいな形でいろんな指示を出してくれました。

思わぬ効果

さらに学生さんたちがSNSで情報発信してくれたおかげで急にお客さん増えました。応援しようと早稲田の学生さんだけでなく、色んな人が来てくれました。どんな店なんだろうって感じで散歩がてら見に来たりだとか。それでここの早稲田界隈を見に来る人口がすごく増えた。クラウドファンディング、ツィッターの拡散効果で早稲田大学だけでなく、この近辺って結構名所があることを多くの人に知ってもらうことが出来ました。足を運んだついでに店にも寄ってくれるようになりました。

つまり、コロナ前まで「喫茶ぷらんたん」は早稲田の学生さんのための店だった。それが今は早稲田界隈を訪れる人が増えて、そんな人たちが立ち寄る店に変わった。

「喫茶ぷらんたん」は昭和の名曲、ガロの『学生街の喫茶店』のモデルです。ボーカルの大野真澄さんが近くに住んでいて、ここで曲を書いた。姿かたちは昔のまま。しかし今では早稲田界隈にある歴史あるレトロな喫茶店へと変わった。喫茶店という商売をやっていくには立地、立地が全てです。

取材協力:「喫茶ぷらんたん」東京都新宿区戸塚町1-101-13

☎︎03-3202-8333

記者:スマイラー特派員
谷口光児(テンポス広報部)