東京都からの感染拡大防止の要請に協力し、現在営業を休止しています
ーこちらは基本的に歌がメインですか?
そうですね、お客様に気持ちよく歌っていただくのが売りですね。うちはチャージが3000円で飲み食いした分にプラス10%。フリータイムのフリーカラオケのほぼスナックです。フルバンドの店だったら一曲1000円だったりするんですけれどもうちは一切とってません。
ー歌舞伎町は長いですか?
僕は今年還暦なんです。昔はバンドマンやってて、ディスコも入ったしロックバーも入ったしその後は服飾をやってました、原宿で。ハウスマヌカンが全盛期の頃から最後は84年までラフォーレにいたんですけど、いろいろあってこの店を始めて足掛け16年ずっとここ歌舞伎町でやってます。
ー客層は若い人が中心ですか?
早い時間はネクタイ族の人たちが中心で、その次に自由族が入ってくると同業者の人たちが来てくれて。そしてトドメは LGBT (レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの総称、生まれながらの性別にとらわれない人たちのこと)ですよ。2丁目からやってくるあの人たちと6時頃にシャンパン開けて朝シャンなんてやってるから体力勝負です。しかも内臓も使う肉体労働ですね。
ーお客さんと人生相談とかしんみりした話とかはないんですか?
カウンターがある店だったら一人で来るってのが多いと思うんですけど、ウチの場合はグループでくることが多くって、常連同士別々に入ってきても合いそうなお客さん同士だったら名刺交換させちゃいます。ボクは異業種交流が好きなんでね。一人飲みの人でも合いそうだったらくっつけちゃう。それで結婚されたカップルも3組ほどいらっしゃいますよ。
ーお店を続けるコツなんて教えていただけますか?
やっぱり作った人の思いがあるから、それが忘れられないっていうのがありますね。オープンする時にいろいろ相談に乗ってもらった人だとか、先輩たちとの思い出とか。例えば、亡くなった先輩の娘さんが留学することになって、じいさんばあさんまでみんな集まってここで送迎会やってくれたりだとか、どのお店にもたくさんの人の思いが詰まってますよね。あとは、店開ける時は夢と希望に満ち溢れていますが、店たたむのって体力も金も大変ですから。でもやっぱり思い出の方が強いかな。
ー令和って時代は平成と言うワンクッション置いて昭和がアップデートをするような気がしてたんですけどね?
なんかアップデートをし損ねた感じですよね。
ボクは昔昼間の仕事やってたからやっぱり商売はヒトモノカネだと思うんですよね。人がいて物が動いて金になるこれがベースになるんじゃないかって。でも今の時代はなんでもネットでやり取りしちゃうのって不安じゃないですか?相手が見えなくっても今の若い人たちは生まれた時からスマホがあるからこれがデフォルトなんだよね。ボクらの時は電話かけるのも親に断ってから電話かけてましたよね。そして電話かけると相手の親が出るわけじゃないですか。どちら様ですかって言われて何年何組の立花ですっ、何とかちゃんいますかって電話になるじゃないですか。それが今はそういうのすべてすっ飛ばして得体の知れない人と直接やり取りするのがデフォルトになっちゃって。トラブル多いのも当たり前ですよね。
ーIT社会になってそれはしょうがない?
そうなんです。若い子達は自分の時間と世界だけが欲しいと言って接点を持ちたくないらしくて。
でも先日、鬱の診療内科やってる知り合いが、鬱の子たちを店に入れていいかって言われて、成人してたらいいよって。すると7時ぐらいに店に来たんだけど、最初みんな携帯で喋ってるんです隣同士でも。そのうち一人がガンダム歌い出したらもう一人も歌いだしてね。お酒飲みだすと会話もできるようになって、最後はみんなで肩組んで帰りましたよ。うちはプチ心療内科でもあるんだよね。でも昔から飲み屋ってそういうとこありますよね。辛いことがあったら吐き出しに行ったり、楽しいことを分かち合えたりね。そういうところだと思うんだよね。
クラウドファンディングサイトを立ち上げ
Smiler55号で紹介しました「パブ&カラオケスタジオ向日葵」がクラウドファンディングを立ち上げました。
名付けて【SAVE THE スタジオ向日葵】。
サブカル系のスナックに、多くの支援が集まっています。
掲載させていただいたどのスナックも最後までネバっていくとおっしゃってくださいました。
ご支援よろしくお願い致します。
■店舗情報
パブ&カラオケスタジオ向日葵
東京都新宿区歌舞伎町1丁目4−12 ミヤタビル
TEL:03-3207-5292
店主 立花 たくや氏