NO HORSE MEAT NO LIFE

Smiler編集部の谷口です。
昨日は、昔の仲間と語り合う恒例の定例夜会。
今回は馬肉が食べたい! というのでいざ、『馬喰ろう』へ。

店内に入ってすぐに目についたのが、このウェルカムカード。

「う、うれしい」
“ご予約席”、“RESERVED”って札がテーブルに置いてあるのは見るけど、こういうふうに自分の名前が書かれているカードを見るとほっこりした気分になる。歓迎されているというか、なんだか「ようこそ~っ」とスタッフが言ってくれているようで嬉しい。こういう丸っこい字の手書きっていうのもいいんだよね~。

おっ、注文した「馬刺したち」。馬刺しの盛り合わせがやって来た。

どれどれ、モモの肉感、それに比べロースの繊細な味、バラはまた少し食感が違うぞ。部位名も書いてあるから、「これ、ロースだっけ?いやバラだよ」なんてことにもならない。コクがあって少し甘い、馬刺し醤油も大好きなんだけど、部位によって薬味を変えながら食べ比べると美味しさも10倍だ。

久しぶりの馬刺しを味わいながら、その美味に酔いしれていると、連れの倉本っちゃんが「タニさん、ここ来たらこれ食べないとダメですよ~」って。ということで「こうね」のお出ましだ。熊本でさんざん馬刺しを食べてきたつもりだったけど、これは初めてだ。馬のたてがみの部分だそうで、早速いただいてみる。

「おいしい」

思わず声に出ていた。
舌の上にトロリと流れて消えていく、上品な脂身って感じだ。日常の食生活では決して出会うことの無い、味わい深~い料理だった。
家庭では食べることが出来ない料理を食べることが出来る、しかもとびっきり美味しく。外食の楽しみってこれだよな。

食事をしていると鐘の音とともにスタッフの威勢の良い声が店内に響き渡る。
「ちょっと皆さま、ちょっとこちらにご注目ください。ただ今より馬肉ソーセージを1本10円でご提供致します。さらにその中にアタリを引いた方にはお好きな馬刺しを一品サービスさせていただきます。はい、では馬肉ソーセージご希望の方はお手を挙げてくださいね~。」
えっ、馬肉ソーセージが10円!?満席の店内全員が大きな声で手を挙げるものだから、店内は大へんな盛り上がり。
スタッフが順番にお客のテーブルを回り、「はい、3番テーブル3本ね~」と威勢よく、注文を取っていく。
そしていよいよ、われら1番テーブルにやってきた。まだ隣にもお客さんもいるので、ひとり一本いただきました。そしてとなり、最後のお客さんのところで大きな鐘の音とともに「出ました!大当たりぃ~!!」
本日一番盛り上がった瞬間。スタッフはもちろんだが、お店にいる人全員が拍手喝采。その時、俺は確信したのだった。「うれしいよね、最後のお客さんまで10円の馬肉ソーセージでワクワクさせてくれて。そして最後で一番盛り上げる。途中でアタリが出ちゃったら、面白くないもんね。」
馬肉でお客をとことん楽しませよう!その馬喰ろうのメッセージが店内に充満しているのが俺にははっきりと見えたのだった。

というわけで、その後もいろんな料理を注文。どれも美味しいくいただいた。

で、最後になぜかもう一人の連れの荒ポンが「馬メンチ」を注文。


ここで出された料理を見て荒ポンが

これって、「3人だから3切れに切ってくれてるんだよな!」。って言うとみんなも「そうだよ、そうだよ」。って。

お客さんに馬肉を楽しんでもらいたいというコンセプトが徹底していてブレがないから、メンチカツにしたって、10円馬肉ソーセージ、ウェルカムカードや馬刺しの品書きにしても、ひとつひとつが『おれたち、客のことを大切にしてくれてるな~』と思わせる連続で、この店に来てよかった!と誰もがマジで思うだろう。

後日談だけど、食事のあと食べログに載ってる「馬メンチ」の写真を見たらどれも3等分に切ってあった。すっかり勘違いしてたけど、「3人前に切って出してくれた」と思わせるだけの馬力が馬喰ろうにあったということだ。あの日から、確かに俺たちは「馬喰ろうマジック」にかかってしまった。スタッフの背中には、「NO HORSE MEAT NO LIFE!」の文字が。本当にそう思えてしまった夜だった。

smiler編集部 谷口