海外からのお客様は、英語メニューがある親切なお店に行きたがらない!?って本当ですか?

インバウンドで来日する外国人が年々増えていますよね。このままいけば2020年の4,000万人、30年の6,000万人も俄然現実味を帯びてきました。

訪日外国人の行動がテレビ番組で紹介されることも多くなり、飲食店で海外からのお客様に対して、日本人と同じように丁寧に対応する姿がよく紹介されます。外国人たちが日本での食事を非日常な出来事として楽しんでいるのを見ながら、ひとつのギモンが生じました。

ひょっとして、ファザードやメニューが英語で書かれている外国人に親切なお店よりも、SNSなどで紹介される隠れスポットのほうが訪日外国人には人気なのでは?

さっそく、飲食店向け接客英会話レッスンを2012年(東京オリンピック開催が決まる前)から行っている株式会社華ひらくの内木社長にお話しを伺いました。

内木社長によると「インスタグラム等SNSの影響で多くの外国人が押し寄せている飲食店はごく少数です。ほとんどは、滞在中にぶらりと立ち寄って、その店の人から直接料理を薦められたり、食べ方を教わったりと、文化を学び、会話を楽しみたいと思っています」のだそうです。なるほど、SNSで話題になったディープスポットだけに外国人が集まっているわけでないようだ!

華ひらくが実施した、600人以上の訪日外国人を対象に行った街頭インタビューによると、 むしろ「最低でも英語のメニューと写真は必要」と考えている外国人が大半だそうです。海外には宗教や食物アレルギー、ベジタリアン等の関係で口に出来ない食材をお持ちの方も多くいるので、 お客様に安心をご提供し、ホールスタッフの負担を減らすためにも、英語のメニューと写真を用意するのは喫緊の課題と言えるでしょう。

さらに内木社長は「海外からのお客様に人気のお店というのは一つのブランドになります。今後、外国人スタッフの雇用機会が増えていくので、飲食店が英語力を強化すればお店の可能性はさらに広がるでしょう」という。

オリンピックまであと一年となる2019年に入ってから、多くの飲食店が我先にと英会話レッスンに殺到するのを想像したスマイラー編集部では、実際に接客英会話のレッスンを受けた飲食店に話を聞くことにした。(つづく)