モチベーションアップなんかで会社は伸びない

テンポスの創業社長、森下篤史の日々、経営で感じることを記事にしていきます。


経営者向けに講演をする時がある。

何のために話を聞きに来ているか、その期待に答えようと「テーマ」を決めるのだが、この時が一番困る。

聴衆は経営者なので、売り上げアップ、利益アップ、良い会社にしたい、その話しを聞きたいんだろうなと思う。だけど、いくら話を聞いても実行しなければ、良い会社にはならない。

個人で1000~2000万も借り入れして独立しても、4~5年で半数が消えている。

儲かる店にしたいと、誰もが言う。にもかかわらず5年で半数が閉店の憂き目に合う。

目的達成のために、いつまでに何をするかを決めていない。もしくは決めていても、やる事が中途半端で、成果に結びつかない。やったんだけど上手くいかなかったと、自分をごまかしてしまう。

飲食以外の会社の場合、儲かる会社にしたいと露骨に言わないけど、どんな会社にしたいかもはっきり決めていない。

経営者として、企業規模、事業内容、業界における順位など、ゴールを明確にすることが必要だ。ゴールの選定が間違ってしまうと、良い結果をもたらさない。

「従業員第一主義」などは、経営者の陥り易いゴールの代表的なものである。

第一や第二は、どちらでも良いが、無理に順序から言えば、第一に顧客満足、第二に効率化、第三に従業員満足である。ただ、この1、 2、  3はどれか一つだけというわけにはいかないから、順序はどうでもよいといえる。

「従業員第一主義」などと、綺麗ごとをうたう会社は、商売がヒットして儲かっていることを、経営がうまくいっていると勘違いしている。

そして従業員に任せることが大好きで、結果、強い体質の会社を作ることができない。10年もすると赤字になってしまう。

売上や利益抜きに会社の活動はあり得ない

どんな会社にしたいかを決める時に、売り上げや利益を重視しないで、顧客満足やら、オンリーワンやら、従業員を幸福にするなどを標榜することがあるが、売上や利益抜きに、会社の活動はあり得ない。売上や利益を重視しないのは、格の低い経営者のような気がするからだ。

その結果、経営者向けのセミナーには「従業員を幸福に」「モチベーションアップ」「顧客に愛される」などというテーマが並ぶ。「モチベーションアップ」などは、売上につながりそうな気がするが、従業員のモチベーションをアップさせたところで、売上は増えない。

売上アップは、従業員から毎日報告を聞き、指導とトレーニングをする。従業員のベクトルを合わせる。リーダーに権威があり、掌握できていることが大前提だ。この土台の上にモチベーションアップの意味がある。

販売戦略を練って、他社の動き、社員の動きに合わせて、徹底項目を変える。この繰り返しをやっている会社は、売上や利益は着実に伸びている。過去3年間の売上・利益の伸びている会社のみが、売上や利益に繋がらないような目標を作っても良い。「経営参加」「従業員満足」などである。

一日の行動が売り上げアップにつながってない日を繰り返していると、3年後の売上・利益を伸ばせないことになり、10年経っても変化もない生きてるだけの会社を経営することになる。大部分の経営者は、繰り返しの中で生きている。これは経営とは言えない。経営は、市場や環境の変化に対して、長期的戦略を立てて運営をする。会社において、昨年とどこが違うかを自問自答すべきだ。変化のために何をしましたかを自問自答すべきなのだ。良い会社にしたいと言う前に、儲けが伸びているかをクリアすべきである。

株式会社テンポスバスターズ

取締役会長 森下篤史