会社を大きくできない経営者、後編

テンポスの創業社長、森下篤史の日々、経営で感じることを記事にしていきます。

「会社を大きくできない経営者とは」後編です。


会社が大きくならない理由の一つに、大きくしようとしていないことがある。並大抵の努力では大きくならないことをしっているのに、並大抵の努力を続けてしまう。一方で、並大抵以上の努力はするが、部下に指示したことを「やらせる」ことができず、社長が仕事を抱え込んでしまうと、社員はいつまでも成長しないまま。

ここまでが前回のお話し。

会社が大きくならない理由は他にもある。考察ばかりで行動しない経営者だ。
経営者に必要とされることは、次の8つだ。

1.目標を明確にする
2.理念を作る
3.期日方針(いつまでに何をするか)
4.顧客満足と顧客の創造
5.マネジメント
6.リーダーシップ
7.動機付け
8.評価

経営に大事なことは、会社の規模が小さければ、寝ないで売りに行く、これだけ。ソコソコの規模になったら、部下に指示を「やらせる」、これに尽きる。動機付けよし、恐怖政治よし、褒める、調子に乗せるもよし、トレーニングをするのも良い。ただ、トレーニングにおいては「やらせ方」にしぼる。

話し合いでとか、理解させてとか、そんなことばかりを言っていると、部下は育たない。部下の評価が適正かは大事なことだが、評価が適正だからといって、部下のやる気が出るわけでは無い。給料をたくさん出すと、もらった時に嬉しいだけで、次もたくさんもらえるように頑張る人は少ない。

つまり、人を使う立場になったら、部下が指示をやるようになるまで、癖にるくらいまで、自分が部下を引っ張る。癖になってしまえば、その時点では彼らにとって昨日と同じことをしているに過ぎないから、指示されたことも自然にこなせるようになる。

挨拶から、トイレ掃除から、ビラ配り、会社説明、ありとあらゆる事を、自分(社長)の考えているレベルになるまでやる。昨日と同じ事をすれば良いんだと、部下が感じるようになるまで社長が部下を引っ張る。それはエネルギーがないと出来ない事であるが、天はあなたを見放しはしない。そこ迄やっていると、必ずついてくる部下が出てくる。両手でその人の手を握って、「ありがとうよ。俺はコッチをやるから、お前はこれをやってくれ」と、役割分担し、組織化の第一日目がスタートするんだ。

そして、自分は手分けして別の事をやる、そのことを、ヘトヘトになる迄やっていると、また違う誰かがついて来る。これで、自分以外に二人の仲間が出来た事になる。そうなれば、30人位はやれる規模だ。この繰り返しをするだけで、会社の規模が大きくなっても、やる事は同じである。やらせる相手がグレードが高くなるだけだ。その分、自分のグレードをあげておかないと、グレードの高い人は使えないよ。

株式会社テンポスバスターズ

取締役会長 森下篤史