VOL.01『奥神楽坂のハンバーグ』

神楽坂を上りきり、裏路地をカクカクと曲がりながら、江戸川橋方面へ向かう。近頃この辺りを裏ではなく、奥、そう『奥神楽坂』というらしい。雑貨店、本屋、美容室、カフェ、レストランと、路地裏らしい小さな店が角を曲がるたびに現れるのが楽しい。谷根千エリアとはまた違った風情がある街だ。

神楽坂の駅からオフィスまでの道のりを、毎日最短ルートで行くには何の刺激も発見もない。なので、いつも違う道を歩くことにしている。そのおかげで、最近見つけたのがパラッパラのチャーハン屋さんと、ハンバーグ屋さん。すでにどちらも再来訪しているのだが、良くも悪くも、薄い金髪ヘアーのせいか、お店の人にすぐに覚えられるので、あまり行儀の悪いことはできない。

そして、今日は2回目となるハンバーグ屋さんでランチ。前回はシンプルかつこの店の定番であろう、デミグラスソースのハンバーグ、今回はステップアップして日替わりのランチセットをオーダーする。あまり飾り気のないファサード、店内に、正直最初の訪問では不安を抱いたのだが、今日は2度目、この店の味と、あの溢れ出す肉汁には、絶対的安心感がある。ということで、今日はデミグラスではなく玉ねぎしょうゆ味を選択。1300円のコンビセットとしてエゾ鹿のローストのおまけつき、楽しみである。

オーナーシェフひとりで切り盛りする店ではあるが、ハンバーグ屋さんならではの、コンソメスープ、サラダをまずはサーブし、そのまま流れるようにハンバーグの焼きに入るスムーズさ、そして古めかしくはあるけれど、まな板、鉄板はもちろん、レンジフードに至るまで磨き込まれた清潔感は、基本中の基本であるが、本当に安心感がある。

ーー焼き上がりを待つ間に、顔を覚えられたついでに写メとFBアップの許可をここで快諾していただくーー

スープ、サラダを食べ終えた頃、一呼吸おいてセットのライスが皿に盛られる。そして間髪入れずに焼きあがるハンバーグ。まさに「いいね」と、心でつぶやく。そして前回とソースは違えど、フォークを入れた瞬間に溢れ出す肉汁。「う~ん、コレコレ!」と、ひとりにんまり「いただきます!」。味はつべこべ言わずとも、リピートしていることで、おわかりいただけると思うのであえて割愛。やさしい笑顔で「ご馳走様でした」と言えるお味なのは言うまでもない。

いやはや満足満足

さて、明日のランチは何を食べよう?

食することの幸せ、楽しさ

飲食店はその幸せと楽しさを味あわせてくれる

とっても大切な場所なのである