札幌にクラフトビールを!

「店内は北海道をイメージして作りました。また、ビールの色や料理を見て楽しめるように明るめの照明にしています。」と話すのはオーナーの森谷祐至氏。雰囲気重視の薄暗いビアパブのイメージとは違い、店内は木を基調とした温かさ感じる空間だ。11種類のクラフトビールはハーフ(250ml)で550円、パイント(450ml)900円の一律で提供し、ブルースの音楽を聞きながら気取らず楽しめる、それがビール醸造所を併設したブルーパブ「月と太陽 BREWING(ブルーイング)」だ。

タップ数・メニューブックにも一工夫

タップ数(注ぎ口)は11種類。メニューブックにはビールのキレ・甘味・苦味などを示すチャーター図が書かれており、お客はビールを選ぶ楽しさから始まる。しかしメニューブックには10種類のビールしか書かれていない。11種類目はメニューには載せずシークレットとして出しているようだ。「10種類全部飲まれた方や、カウンターに座るお客様がタップを数えて「あれ、11個あるんだけど?」と気づいた方だけに、「実は・・・」といって11種類目のビールを出しています。」と話す。

森谷氏の自家製ビールは11種の中の1~2種。いろんなビールを飲んでもらいたいという想いのもと、2ヶ月に1回の頻度で新しく開発したビールと入れ替える。取材時は9月。10月は北海道・余市町(よいち)で採れる”キャンベルぶどう”を使った”Campbell Early(キャンベルアーリー)”を出す予定とのこと。季節感を意識していると話す森谷氏、糖度15.4度の甘いキャンベルぶどうがどんなビールに変化するのか楽しみだ。

自分だけの”オリジナル”を更新し続ける

料理の世界に飛び込んだのは24歳のとき。漠然と独立を考えていた時に、「ブルーパブ」の存在を知った。簡単に真似のできない、そして自分の”色”が出せる店をやりたいと思っていた中で「ブルーパブ」が一番しっくりきたのだ。北海道の食材をふんだんに使った料理と、この店でしか飲めないビール、”月と太陽BREWINGならでは”を大切にしたいと話す。それと同時に、「独りよがりにはならないよう、お客様の声を取り入れながら、常に最新の状態で提供したいです。そして、お客様にもっとクラフトビールを楽しんでもらえたらと思います」と温かな眼差しで話してくれた。

今後は、ビール醸造所の規模を拡大し生産量を増やす考えだ。時期にもよるが、東京の飲食店への卸売もしているとのこと。全国で森谷氏の作るビールが飲めるの日もそう遠くないだろう。

月と太陽 BREWING
代表 森谷祐至氏
札幌市中央区南3条東1丁目3
TEL:011-218-5311

Smiler 32号