人生の清算

人生の清算なんて書くと、具合でも悪いのかと勘ぐられるが、そうじゃない。
最近、55才になった友人が死んだ。
この世に未練がなかったかのような後始末のつけ方であった。

この俺はというと、前向きというと聞こえが良いが、やりたい事をやっているだけ。
間も無く69才。
不義理をしてきた人へ、お世話になった人へ、消えゆく村を守ってくれている人たちへ、
挨拶して、感謝をしなくてはと思うようになった。
そういえば、交通違反を繰り返してきた俺は、ポリ公に良い感情は持っていなかったのが、
寒い夜自転車で町内を回っているポリ公を見ると、コイツラのお陰で世界一の治安が保たれていると感じるようになってきた。
こんな事を考えるようじゃぁ、先がないのかなあ。
自宅に向かう路上で「お巡りさん、寒いなかありがとうよ。お前らのお陰で世界一の治安が保たれているんだよな。」と言った。
野郎ビックリしたようだったが、ややあって「仕事ですから」と嬉しそうだった。
ゴミ捨ての袋に「ありがとう」って書いて貼っておいた。
新聞受けに毎日ありがとうって貼っておいた。

こんな事はすぐ出来る。
身銭を切ってない。労を提供してない。
続く