いよいよ100億企業の求める人材とは。

いよいよ100億企業の求める人材
人を育てる
あさくまグループの飲食業も、あさくまを筆頭に、ビュフェのファーマーズガーデン 12店 モツのえびす参 8店 イタリアンバイキングのパルティーレ5店あって、浜焼市場のきよっぱち、カフェのオランダ坂珈琲邸6店 インドネシア料理のスラバヤ6店など、どんどん増えてきた。各店の当月やるべき実行項目を、俺1人じゃあ、とても作れない。
そこで、あさくまの上位の店長を抜擢するなどして、社員教育グループだとか、販促グループだとか、再生スペシャリストグループだとかを作った。
こいつらに、あさくまだけではなく、グループの飲食店業態向けの実行項目を作ったり、それを徹底させたりする仕事を任せるようにした。俺は、方針とゴールだけを作っておいて、どういうふうにやるかは、お前らが考えろという組織にしたんだよ。
ところが、例えば、推奨販売のワイン以外に、売上を10%上げるにはどうしたらいいかと聞くと、「じゃあ焼酎を売りますか」という程度の企画しか出てこない。
売り上げを上げるのに、ワインの推奨販売を指示したからって、他の方法はと聞けば焼酎はどうでしょかとはなさけない。
更にその他にはといえば、ホッピーはとくるだろうよ。ホッピーでもハイボールでもってこいってんだ、馬鹿野郎!
そんな案を出してもらいたいのではない。
サラダバーで、ソフトクリームを自分でフリーに取れるようにしてある。
じゃあその横に、コーヒーゼリーも置こうよ、じゃあ小豆も置く。
小豆も置くなら、たい焼きの道具を置いて自分で焼かせよう、ならば、ワッフルも自分で作らせよう。
そうだセルフクッキングレストランを目指そう。
これくらいの企画をしてもらいたい。
そこで、俺は今、悪戦苦闘しているんだ。
思えば、8年前に、俺はあさくまの店長どもに対して「お前らを人間扱いして失敗した。お前らは部品だ」と宣言したんだ。ただ、その後もず~っと言ってきた。
最近は「お前ら、部品だ部品だと言ったって、ある時期になったら、部品から人間になって、自分たちが工夫しないと、できない日が来るんだぞ」と言い始めた。まさに、そのときが来たんだよ。
とはいっても、「分かりました。人間でいきましょう、もう自分で考えますから」とはなかなかいかないね。例えば、あさくまでステーキを食って、幸せを感じて帰る。それは分かった。当たり前だ。プラスアルファで、あさくまでの時間を、より価値のあるものにする企画を考えろと、俺は彼らに言った。そしたら、アイデアが何も出てこないんだよね。
仕方なく、俺が出した企画は、例えばキッズグリル体験だ。本物の職人に、ステーキの焼き方を教わりながら、お母さんのためにステーキを焼いてみないか、というセルフクッキングの企画だね。いまは実行項目の一つに入ってきている。このキッズグリル体験を、どのように人気企画にするかについては、現場の店長も真剣に考えてもらいたい。
つまり、あさくまグループは、売上65億を超え、100億円をうかがうという発展段階に来たんだから、現場の店長に要求されるスキルの質も変ってきたんだ。
最初、店長たちは言われた通りのことさえ、ろくできなかった。これが、部品でしかなかった最初の段階だ。現在は、言われた通りのことなら何とかできるようになった。第2段階だね。次の第3段階には、大まかな方針だとか目標だとかを示されたら、店長が、自分でフェアなどを企画して、それを具体化し、ノウハウを現場スタッフに徹底して、結果を出していくといった前向きな取り組みができなければならない。そういう店長が増えないと、第3段階には進めないんだよ。なかなか難しいけれども、うれしいことに、新しい芽は出てきている。